こんにちは、ボブです。
この記事はパキポディウムについてよくわからないと言う方に向けて書いています。
最近ではビザールプランツという、あまりメジャーでない不思議な植物を育てることがブームになっています。
そのブームの火付け役になったのがこのパキポディウムです。
サクッと最初にパキポディウムについて紹介しておくと、
・【自生地】マダガスカル
・【特 徴】独特のフォルム
・【水やり】用土が乾いたらしっかり行う
・【置き場】日光や風がよくあたり、屋根がある場所
・【冬越し】5度を下回ったら室内で管理
という感じです。
ちなみに2020年時点だと値段は1万〜5万 (発根しているもの)くらいですかね。
未発根株:0.7万〜3万
発根株(小):1万〜5万
発根株(大):5万〜15万
とツッコミたくなる気持ちはわかるります。普通に考えて驚愕の値段ですもんね。
なんだけど、一度その魅力にハマったら最後。
パキポディウムは少し高価な植物だけど、コツさえつかめたら育てやすいし、むっちゃくちゃカワイイので “必ず” 1つはコレクションにして欲しいww
・パキポディウムの概要と特徴がわかります
・経験者がパキポディウムの育て方のコツを教えます
すでにパキポディウムの概要や特徴について知っているという方は、以下メニューから「育て方」をクリックして下さい。
【保存版】パキポディウムの育て方とは【水やりから冬越しまで経験者が解説】
まずはパキポディウムの詳細について解説していきますね。
パキポディウムの基本情報
分 類:キョウチクトウ科 パキポディウム属
原産地:マダガスカル、アフリカ南部
成長期:夏
原産地に“アフリカ南部”とありますが、実は数種類しか自生していません。
ほとんどが聖地マダガスカルなんです。
マダガスカルの植物といえばバオバブが一番有名だけど、実はこんなかわいらしいパキポディウムが60種類以上も自生しているんです。
↓バオバブの木
マダガスカルの特徴を簡単にまとめると、
・面積は日本の1.6倍
・世界で4番目に大きな島
・孤立した島のため、各生物種が独特の進化を遂げている
・野生生物種の90%以上が固有種
マダガスカルも日本と同じ島国で、たくさんの固有種が生息しています。
↓人口は日本の方が多いけど、面積は1.6倍とかなり広いのが特徴ですね。
日本 | マダガスカル | |
---|---|---|
人口 | 1億2650万人 | 2697万人 |
面積 | 377,900 km² | 587,000 km² |
また、植物には夏に成長する種類(夏型)と、冬に成長する種類(冬型)にわけられ、パキポディウムは夏型の植物。
これはなんとなくマダガスカルを想像すると簡単にイメージできますよね。
【画像で解説】パキポディウムの断面
この画像はパキポディウムを切断した時に撮った写真。
パキポディウムは灰色の表皮の下にある5mmほどの緑色の部分で光合成を行います。
また、断面の8割を占めている中央の白いところが貯水タンク。
触ってみるとスポンジ状になっていてフッワフワ。
写真を見てもらえるとわかりますが、切った瞬間から水がドバドバ出てきます。
「こんだけの水分を溜め込んでいるのか〜」と少し感動してしまいましたww
(ちなみに上記写真は根腐れしたところを、包丁でカットした際に撮った写真ですので、ご安心ください!現在進行形で延命処置中です。)
(追記:枯れてしまいました…残念…この貴重な写真はずっと使い続けるぜ。)
パキポディウムの特徴は独特なフォルム
僕が考えるパキポディウムの特徴は3つ!
・その①:どこにもないフォルム!
・その②:カワイイ花を咲かる!
・その③:綺麗な紅葉を楽しめる!
1つずつ解説していきますね。
その①:どこにもないフォルム
パキポディウムのフォルムは見ていて全く飽きない。
なぜならいろんなフォルムをしているから。
たとえば…
・ソフトボールの様な樹形
・平べったく生姜の様な樹形
・柱の様な樹形
パキポディウムはいろんな個性豊かな種類があるし、1つの種類でも同じ形はなくどれも個性豊かなフォルムなのが特徴です。
(個人的には、恵比寿笑いが好き)
その②:カワイイ花を咲かせます!
春になると可愛い、黄色の花を咲かせるのも特徴の1つ。
冬を乗り越え春に新芽を出す。そして花を咲かした瞬間はやっぱり嬉しい。
色は種類によって赤色や白色の花も咲かせますので、ぜひ色々な花を咲かせてみましょう。
無事に花が咲いたら自分で人工受粉するのもありですぞ。
その③:綺麗な紅葉を楽しめる!
夏が終わり寒くなってくると(だいたい10月くらい)葉が徐々に色づいてきます。
日本でよく見る紅葉の流れと一緒。
パキポディウムは夏型の植物のため来たる冬に備えて紅葉します。
日本でも昔から親しまれている紅葉をパキポディウムで楽しめる。(それって奇跡)
上の写真はちょうど綺麗に紅葉していたのでパシャりと撮った1枚。
パキポディウムの育て方は超シンプル!
パキポディウムの育て方の考え方はいたってシンプルです。
マダガスカルの環境をイメージすること!
植物全般の育て方に言える事ですが、実際に育っている環境に近づけることが大切です。
なぜなら自生地と同じ環境で育たないことは絶対にないですからね。
マダガスカルを深掘りしてみる
自生地をイメージするといっても、マダガスカルのことを知らないとまずいから、まず最初にマダガスカルについてサクッと紹介します。
引用元:トラベルガイド
マダガスカルは標高、緯度によって3つの気候帯に分かれます。沿岸部は蒸し暑い熱帯性気候、内陸部の高地は温暖な気候、南部は半砂漠で乾燥した気候です。マダガスカルの気候は南東からの貿易風に影響を受けており、11月から4月までの蒸し暑い雨季と5月から10月までの寒い乾季の2つの季節に分かれます。
トラベルガイドより引用
まとめると以下です。
・沿岸部:蒸し暑い熱帯性気候
・内陸部:高地で温暖な気候
・南 部:半砂漠で乾燥した気候
・11月〜4月:蒸し暑い雨季
・5月〜10月:寒い乾季
プチ情報として使ってくださいww
マダガスカルは日本と真逆の気候
マダガスカルは当たり前だけど、日本とまったく違う気候です。
そこで、東京とマダガスカルの首都であるアンタナナリボと比較してみました。
引用元:weatherbase
↓こちらが年間の最高/最低の平均気温の比較です。
年間を通しても東京のように暑くはないんですよね。(意外…)
また平均の最低気温だと10℃を下回りません。
当然ながら、場所によっては最低気温(平均ではない)だと5℃くらいの場所もあります。
↓こちらは平均の降水量を比較です。
これもまた真逆ですね。
降る時は「ドバッ」と降って、降らない時はまったく降りませんね。
育て方の結論
以上の情報から、育て方についてまとめてみました。
・寒さには弱いこと
理由:平均最低気温が10℃を下回らないから
・休眠時の水やりはメリハリをつけること
理由:雨季と乾季がはっきりしているから
・風通しはよくすること
理由:1年中ある貿易風があるのと、湿度が違うから
いい感じにまとめちゃったけど、これらは多肉植物全般に言えることだから、「パキポディウムだから」ということではないです。
パキポディウムの栽培カレンダー
パキポディウムは夏型の植物なので、春から夏にかけて成長していきます。
とはいえ、真夏は成長が遅くなるため植え替えや種まきなどは初夏(5,6月)にかけて行うのがベストですね。
そして冬になるにつれ、葉を落とし休眠します。
では具体的には以下3つにわけて解説していきます。
・置き場
・水やり
・冬越し
それではいってみましょう!
「置き場」は室外一択
・屋外で直射日光の当たる場所で育てましょう。
または、軒下に置きましょう。
・風通しの良い場所に置きましょう。
パキポディウムは自生地でも当たり前ですが、直射日光にあたっています。
日光によくあてることで徒長を防ぐことができて、締まった株になります!
徒長:作物・樹木の茎や枝などが無駄にのびてしまうこと。肥料の過多、日照の不足などからおこる。
また、温室で育った株をいきなり屋外の直射日光をあててしまうと、株が日焼けする可能性があります。
そのときは30%の遮光か、数日かけて少しずつ直射日光にあてるようにしましょう。
梅雨の時期は要注意!
常に雨に濡れる状態だと根腐れを起こしてしまう可能性があるので、梅雨の期間中での雨ざらしは特に注意が必要です!
風通しは超重要!
パキポディウムを育てるうえで、風通しはとくに重要です。
植物全般にいえることだけど、積極的にどんどん風をあてた方がいいですよ。(マジっす)
メリットは5つあります。
・メリット①:害虫の防止
・メリット②:日焼け防止
・メリット③:根腐れを防止
・メリット④:樹形の姿形を作れる
・メリット⑤:カビやキノコの発生防止
風を株にあてることが外力となり、より自生地に近い樹形になります。
間延びせず、自生地のように締まった樹形を目指していきましょう!
詳しくは別記事にまとめましたので、合わせて読んでください。
室内に置くのはあり?
結論から言うとなし。(もちろん、冬季は除きますよ)
室内だと室外に比べて日光の量が大幅に減少することがわかっています。
そうすると、株の体力を少しずつ消費して、見た目の変化はあまりないけど最終的にはパワーを使い果たして枯れてしまうのです。
室内で見ておきたい気持ちは十分にわかるけど、可能な限り屋外に置きましょう!
「水やり」は用土が乾いたらたっぷり
鉢内が乾いたらしっかりと鉢底の穴から出るまで水をやりましょう
基本的には、渇いたらしっかり水やり。
その繰り返しになります。いたってシンプル!
鉢内の乾きを見る方法
簡単にできる、鉢内の乾きを確認する方法は3つあります。
・その①:鉢底の土の色を見て判断
・その②:ラベルor竹串を刺して乾きで判断
・その③:鉢ごと持ち上げて重さで判断
鉢の重さで確認する方法は中級レベルに到達すればわかるかと思うけど、最初の内は確実性がないのであまりおすすめしません、、、
水やりの前後での鉢底の土の色
これが水やり前で…
これが水やり後。
写真を見ると一目瞭然ですごくわかりやすいですよね。
注意してもらいたいのは、鉢底に置いている用土は大粒の赤玉土と鹿沼土の場合だけ。
パーライトや軽石を置いた場合は、上記のようにわかりやすくはありませんのでご注意ください。
水やりの頻度は
水やりの頻度はそれぞれで異なる
小さい株と大きい株を比べると3~5日変わるかな。
ちなみにぼくは、完全に乾いてから+2日くらい経ってから水やりをしています。
「あっ、やべっ!昨日水やり忘れてた!!」となる必要は全くないので、そこまで気を付ける必要はないのでご安心を。
数日水をやらなくなったくらいでは枯れないから大丈夫!
水やりのタイミングは
早朝か夕方以降
できれば習慣化しておきたいところですね。
夏場の水やりは特に注意が必要です
夏場の日中の鉢内は軽く40℃を超えていますので、そのタイミングで水をやってしまうとお湯になってしまい、根にダメージを与えてしまいます。
なのでやはり、水やりは早朝がベストです。
朝起きて水やり。を習慣化すれば忘れることはないと思います。
「冬越し」は5℃を基準にする
紅葉シーズンが終わると全ての葉が落葉しついに冬越しの時期になります。
冬の管理方法は以下3つになります。
・その①:5℃以下になったら室内管理
・その②:落葉したら断水気味にする
・その③:冬でも日光には当てる
ここでいう断水気味とは、完全断水する必要はない。ということです。
小さな根を生かしておくためにも、コップ一杯分の水を軽くかけるか、株に霧吹きでシュッシュするなどすればOKです。
また冬でも、昼間は気温が高くなるので晴れの日には積極的に外にだしてあげるようにしましょう!
屋内で管理するとどうしても日光不足になるので、積極的に日光に当てるように置き場などの環境を考えましょう。
これも自生地を考えると冬眠中でも日光にはガンガン当たってるからね。
【中級者向け】実生や発根をしてみよう!
みなさんは実生というのはご存知でしょうか。
ちなみに実生と書いて”みしょう”と読みます。(絶対最初は「じっせい」って呼んじゃうだろ。)
実生(みしょう)とは、種子から発芽したばかりの植物のこと。子葉や第一葉のある時期を指し、一般にいう芽生えのこと。
Wikipedia引用
実生だと種から育てるから低コストでパキポディウムを手に入れることができます。
しかし、想像通り育てるのに何年もかかってしまうけど、楽しいので是非トライしてみて欲しいです。
実生については長くなりますので、別記事にまとめましたのでお時間あるときに見てください!
発根もやってみる。
パキポディウムなどは空港で検疫を行うために、根を切断して日本に輸入されます。
なので日本で根をいちから生やす必要があり、このことを発根(はっこん)と言います。
すでにお店で売られているパキポディウムは日本で発根させているので、もし未発根を入手してしまうと自分で根を生やさなければいけません。
発根作業はとてもリスクがあります!
未発根のパキポディウムは根が生えているものよりも、半額以下で売られています。
ですが根を生やす作業はとても難しく初心者にはあまりオススメできません。
なのでお店などで購入する時は、あらかじめ根が生えているパキポディウムの購入しましょう。
発根管理をしてみるのは、育てるのに慣れてきてからでいいかと思いますよ〜!
【オススメ】パキポディウムグラキリス
今のパキポディウムの中で一番有名なのがこのグラキリス。
和名は “象牙宮” 。(カッチョすぎるだろこの和名ww)
グラキリスはソフトボールのように幹がまん丸に肥大しているフォルムが1番の特徴ですね。
幹がキレイなまん丸になっているほど価値が高く、枝も短いものが人気があります。
グラキリスについては、長くなりますので別の記事にまとめています。お時間ありましたら一緒にご覧下さい。
まとめ
・パキポディウムはマダガスカルに自生している
・日光が良く当たる風通しのいいところに置く
・水やりは乾いたら鉢底まで水が出るまでしっかりと
・5℃以下になりそうだったら室内管理に切り替える
パキポディウムの育て方で意識することは、自生地の環境をイメージすること。
とはいえ、上記をしっかりと守ればまず問題はないと思いますので、株の表情をよく見ながら柔軟に対応していきましょう。
というわけで今回は以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました!